札幌地域労組の専従を長年務める著者が、労働組合活動を通じて多くの労働者を救済してきた経験をまとめた著作。2022年10月発行、寿郎社。
副題は「攻める・守る・長く続ける」。押すべきところや引くべきところなど、硬軟織り交ぜながら、使用者側と戦っていった事例が具体的に述べられている。また、特筆すべきは、実際に使用者側に提出した書式が掲載されていること。全国の労働組合にとって大変参考になると思う。
ただ、経験が浅い労働組合にとって、この本だけでは使用者側と戦えない。著者のような労組専従が実際にサポートすることで初めて、使用者と対等に渡り合えるだろう。そういう意味では、全国に著者のような存在が少しでも増えれば、労働組合活動がより活性化し、労働者の労働条件の向上につながると思う。