文藝春秋元編集者の下山進氏が2018年4月、慶応大学SFCで講座『2050年のメディア』を立ち上げ、この講座を出発点に、読売、日経、ヤフーの三社を軸に調査し、メディアの巨大な変化を明らかにしたノンフィクションである。2019年10月発行、文藝春秋発行。
神戸の会社「ライントピックス」をめぐる訴訟、朝日、日経、読売の動き、海外新聞社の電子版への取り組み、ヤフーの変化など、綿密な取材をもとに書き上げており、大変参考になった。
かつての自分もそうだが、おそらく現場の記者は日々のニュース処理に追われ、メディアの巨大な変化と対処法について考える余裕がないと思われる。
こうした中、メディアの将来像を考えるセクションの重要性を感じた。将来像を考えるのは、紙の新聞にこだわりがある経営陣だけでは無理である。スマホに精通した若手記者、外部のネット会社の人材を積極的に登用し、生き残り策を考えることが重要である。